トスカニーニによるベートーヴェンの交響曲全集は戦後のRCA盤が有名だが、1939年の10月から12月にかけて8Hスタジオで収録された、観客入りの演奏を評価する向きも多いと聞く。調べたら、何と3種類のアルバムがある。「Music & Arts」「Andorometa」「Memories」で、米独伊と国まで異なる。その内、「Andorometa」は他に収録されていない「七重奏曲」と「合唱幻想曲」も収録した完全収録というのが売りのようだ。
手許不如意のため、一番安価な「Memories」で聴いている。古いのでその辺は割り引いて聴いているが、いささか高音がきついので、音楽もきつく聴こえる。実際のトスカニーニの音楽造型も厳しく、とっつきにくい曲もある。第4番なんかはもっと余裕が欲しいなと思った。 総じて、RCAのセッション録音よりは勢いを感じた。