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ストコフスキーのNYPライヴ

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【収録情報】
①アミロフ:アゼルバイジャン民謡による交響的組曲(録音時期:1960年3月5日)
② ショスタコーヴィチ:交響曲第1番ヘ短調 Op.10(録音時期:1960年3月5日)
③ヴォーン・ウィリアムズ:トマス・タリスの主題による幻想曲(録音時期:1962年3月3日)
④ クルカ:交響的エピローグ『ジュリアス・シーザー』(録音時期:1962年3月3日)
レオポルド・ストコフスキー指揮 ニューヨーク・フィルハーモニック
録音場所:ニューヨーク、カーネギー・ホール  録音方式:モノラル(ライヴ)
 
 20世紀の巨匠レオポルド・ストコフスキーが振る20世紀の管弦楽作品集は、初の商用リリースとなる1960年と1962年の演奏を集めた希少音源集。オーケストラのテンションの高さに圧倒されるショスタコーヴィチの交響曲第1番、英国時代に親交を深め、その作品をアメリカへと広めたヴォーン・ウィリアムズの『タリスの主題による幻想曲』はもちろんのこと、アゼルバイジャンの作曲家アミロフの民族色濃厚な『交響組曲』、白血病で急逝したアメリカの作曲家クルカの『ジュリアス・シーザー』は、音の魔術師ストコフスキーならではのプログラム。オーケストラの燃焼度もかなりのもの。
 リマスタリングは、お馴染みのピーター・レイノルズ&レイノルズ・マスタリングが担当。(東京エムプラス)
 

 
 一般にストコフスキーというとレコーディングに熱心で、クラシックを大衆に伝えた大指揮者という面と、あまりにメディアに出すぎて芸術性に疑問を持たれた一面があるのはよく知られたところだ。しかし、現代曲の初演にも熱心で擁護もした。レパートリーの広さも相当なもので、同時代の指揮者では並ぶ人は少なかったのではなかろうか。
 
 さて、このアルバムは二つのNYPのコンサートから収録されたもの。カタログを見て、まず目にとまったのは①④のかなりレアな作品が収録されていることだった。もちろん、初めて接する作品。最初のアゼルバイジャン民謡をもとにした作品はハチャトゥリアンばりの面白いリズムを内包しているのでは期待してみた。その予想はずばり的中で、やはりステレオ録音で聴いてみたい作品だった。最後のクルカは夭折したアメリカの作曲家で、死の直前に完成したようだ。作曲者自身の解説も残っていて、芝居の筋立てに沿った構成ではないそうだ。サンディエゴ交響楽団の委嘱作。ショスタコーヴィチはアメリカ初演したり、初めてレコード録音した作品で十八番だろうし、RVWも結構取り上げているが、ロンドンの音楽学校で共に学んだ仲というのも作用しているようだ。
 
 かつて、ミトロプーロスとNYPの音楽監督を争っていたが、敗れた後にしばらくNYPの指揮台からは遠のいていたようだが、この録音当時はもうバーンスタイン時代になり、過去の因縁もある程度、自分できりをつけたのだろう。

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