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ヴォルフ=フェラーリ:管弦楽曲集 サンティ&パリ音楽院管弦楽団

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【収録情報】
ヴォルフ=フェラーリ:
・歌劇『スザンナの秘密』序曲
・歌劇『町の広場』から間奏曲、リトルネッロ
・歌劇『愚かな女』序曲
・歌劇『4人の気むずかし屋』から前奏曲、間奏曲
・組曲『マドンナの宝石』
ネッロ・サンティ(指揮)パリ音楽院管弦楽団
 録音時期:1959年
 録音場所:パリ
 録音方式:ステレオ(アナログ/セッション)
 
 ヴォルフ=フェラーリと言えば、「マドンナの宝石」間奏曲くらいしかすぐに思いつかない。それほど、あまり知られていない作曲家の一人である。しかし、本場では見直しが進んでいるようで、オペラの上演やその模様を収めた映像がリリースされたり、全曲盤が出回ったりしている。オペラ以外の作品のCDも出ているくらいである。
 
 ドイツ人の父とイタリア人の母を持つこの作曲家はそれぞれの国のエッセンスを自作に盛り込んでいるのが特徴である。リリカルな旋律は本場イタリアものほど暑苦しくなく、爽やかなものがある。またワーグナーの影響も見られが、イタリアのブッファの復興に力を入れた活動をしている。
 
 有名な「マドンナの宝石」はこの作曲家にとってはむしろ例外な悲劇的なオペラ。哀切な間奏曲が一番有名なのはむしろ皮肉な結果なのだが、劇の内容に必ずしも音楽の質が合致していないとの批評もある。上記の組曲でその間奏曲以外の舞曲などを聴くとシリアスな感じがないので、そういう指摘は当たっているのかなと思う。
 
 さて、このようなアルバムはASVというレーベルからも出ていたが、これは老舗のDECCAが制作、若き日のネッロ・サンティが指揮しているのが魅力に感じた。こういう録音があったとは知らなかった。LP時代には日本でも発売されたように解説にはあったが、長らく発売されなかったようである。

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